第11話「プロパンガスから都市ガスに切り替えるだけで月5,000円浮く話」── 災害時のリスクと、都市ガスエリアの調べ方
第11話「プロパンガスから都市ガスに切り替えるだけで月5,000円浮く話」
冒頭:ガス代の節約には「2つのパターン」がある
シンパパが2枚の紙を並べた。1枚はプロパンガスの検針票(月15,000円)。もう1枚は同じ使用量で計算した都市ガスの料金表(月10,000円)。
今日はガス代の話。ガスの節約には2つのパターンがある
| パターン | 内容 | 節約効果 |
|---|---|---|
| パターンA | プロパンガス → 都市ガスに切り替え | 月5,000円・年6万円 |
| パターンB | 今のプロパン会社 → 適正価格のプロパン会社に変更 | 月3,000〜8,000円・年4〜10万円 |
自宅が都市ガスエリア内ならパターンA、エリア外ならパターンB。どちらも年数万円〜数十万円の効果が出る
(味噌汁をよそいながら)あら、また固定費の話〜? ご飯炊けたから先に食べちゃってね
ママは興味ないんだね
だってシンちゃん(夫)がやってくれるから〜。あ、明日の朝はパンにしようかしら
Phase 2ブースト編の3発目。通信費(第9話)で年24万円、電気代(第10話)で年6万円、そしてガス代で年6万円(パターンA基準)。累計で年36万円
でも、ガスってそんなに差が出るもの? 同じ”火”だよね
プロパンと都市ガスは、原料も、供給方法も、料金の決まり方もまったく違う。今回は両方のパターンを順番に説明する
ふーん。じゃあ浮いた分でハーゲンダッツ買って来てね〜

「プロパンガスと都市ガスって、そもそも何が違うの?」
ガスってどっちも同じ”ガス”じゃないの? コンロは同じように使えるよね
コンロは同じように見えるけど、原料も供給方法もまったく違う別物。器具自体も、内部で調整しないと使えない
違い1:原料が違う
- プロパンガス:LPガス(液化石油ガス)。原油から作られる
- 都市ガス:LNG(液化天然ガス)が主体。海外から輸入
原料そのものの輸入価格が、都市ガスのほうが3〜4割安い。これが価格差の出発点
違い2:供給方法が違う
- プロパンガス:各家庭の屋外にボンベを設置、業者が定期配送
- 都市ガス:地中の配管網でガス会社から直接供給
プロパンは”宅配便”、都市ガスは”水道”みたいなイメージ。配送コストの差が、そのまま料金差になる
違い3:火力(カロリー)が違う
- プロパンガス:約24,000 kcal/m³(強火)
- 都市ガス:約11,000 kcal/m³(プロパンの半分弱)
プロパンは火力が約2倍強いから、同じ料理をするのに使う体積は約半分で済む
えっ、じゃあプロパンのほうがお得なんじゃ?
いや、それでもプロパンのほうが高い。1m³あたりの単価が3〜4倍違うから、体積半分でも料金は1.5〜2倍になる
私は強火が好きだから、プロパンがいいわ〜。あ、でもIHでも美味しく出来るから、別に関係ないかしら
違い4:料金体系が違う
| 項目 | プロパンガス | 都市ガス |
|---|---|---|
| 基本料金 | 1,800〜2,500円/月 | 1,000〜1,200円/月 |
| 単価(m³あたり) | 500〜800円 | 150〜200円 |
| 料金規制 | なし(自由料金) | あり(経済産業省管轄) |
| 価格の透明性 | 低い(会社ごとに違う) | 高い(HPで公表) |

「なぜプロパンのほうが高いのか」── 4つのコスト差
で、なんでプロパンってこんなに高いの?
4つの構造的な理由がある
①原料費の差
LPガス(プロパン)は原油から作られる。原油価格が上がるとそのまま高くなる。LNG(都市ガス)は天然ガス、原油価格との連動が緩いので、安定して安く調達できる
②配送コストの差
プロパンは各家庭にトラックで配送。配送員の人件費・燃料費・車両維持費が、ガス代に乗っかる
都市ガスは配管で常時供給。検針員が来るだけで、配送コストはかからない
③設備投資の回収方法の違い
プロパン会社は、各家庭のボンベ・調整器・配管などの設備を無料で設置して、その代わりにガス代を高めにして回収するビジネスモデル
だから契約解除のときに設備買取金10〜30万円を請求されるケースがある。実質的な縛りになってる
④料金規制の差(最大の理由)
ここが一番大きい。プロパンガスは料金規制がない自由料金。会社が好きに値段を決められる
都市ガスは経済産業省管轄で、料金プランは事前に公表する必要がある。プロパンは知らないと、ぼったくられても気づかない
えっ、自由料金ってそういうこと? じゃあ会社によって全然違うんだ
まったく同じ地域・同じ使用量でも、契約している会社次第で月の請求額が1.5〜2倍違うケースもある
ふーん。私、毎月いくら払ってるかも知らないわ〜
(シンパパは小声でつぶやいた)……だからこそ、僕がやってるんだよね

<パターンB前提> プロパンガスは「会社」で値段が全然違う
同じ地域なのに、会社によってそんなに違うの?
違う。プロパンは”言い値”の世界だから、同じ町内でも、隣の家と自分の家で月5,000円違う、なんて普通にある
月10m³使用時の料金例(同じ地域)
| ガスの種類・会社 | 月の料金(目安) |
|---|---|
| 高めプロパン会社(賃貸オーナー指定など) | 約15,000〜18,000円 |
| 中堅プロパン会社 | 約12,000〜14,000円 |
| 適正価格のプロパン会社(パターンB乗り換え先) | 約9,000〜10,000円 |
| ご参考:都市ガス(パターンA) | 約5,500〜6,500円 |
パターンBの典型ケースは “高め→適正” の乗り換え。月3,000〜8,000円浮く(家庭による)
特に賃貸物件は、オーナーが指定したプロパン会社を入居者が引き継ぐパターンが多い。ここに高めの会社が紛れ込んでる
「プロパン適正価格」という概念
実は、各地域にはプロパンガスの適正価格の目安がある。enepi(エネピ)や プロパンガス料金消費者協会みたいなサービスで、自分の請求額が高いかどうかを無料診断できる
うちの周辺だと、5m³使用で1m³あたり500円台が適正。これより高い会社と契約してたら、見直しの余地アリ

災害時のリスク ── 両論併記でちゃんと書く
でも、プロパンって災害に強いって聞いたよ? 切り替えても大丈夫?
これは正直に書く必要がある。料金だけ見て”安いから都市ガス”とはならない
プロパンガス:災害に強い理由
- 各家庭が個別のボンベで完結している
- 配管網に依存しない
- ボンベ・調整器・元栓が無事なら、地震・水害後すぐに使える
- 東日本大震災ではプロパンの復旧が最速(数日〜2週間)
都市ガス:災害に弱い理由
- 地中の配管網で供給されているため、配管が破損すると広範囲で使えない
- 安全のため、復旧前に1軒ずつ点検が必要(マンパワー大)
- 東日本大震災では、仙台市の都市ガス復旧に約2ヶ月かかった
- 阪神淡路大震災でも、復旧に最大3ヶ月
シン・ミニマリストの判断軸
パターンAなら月5,000円、パターンBなら月3,000〜8,000円の節約 vs 数十年に1回の災害時の不便。これをどう天秤にかけるか
うちの考えは、カセットコンロ+カセットボンベを多めにストックしておけば、都市ガスが止まっても1週間は炊事できる。浮いた分でストック費用は1ヶ月で回収できる
シン・ミニマリスト的には、平時の固定費を削る方を取って、災害時はバックアップで対応するという判断
あ、カセットコンロなら、お鍋のときに使うやつね。あれで卵焼きも作れるし、私は別に問題ないわよ〜
(料理人の視点だと意外と的を射てるな……とシンパパは思った)

都市ガスエリアの調べ方 ── 自宅が対象か3分で確認
で、うちは都市ガスに切り替えられるの?
自宅住所が都市ガスエリアかどうかを、まず確認する必要がある。3分でできる
ステップ1:自宅住所を控える
- 郵便番号・市区町村・町名・番地まで
ステップ2:地元の都市ガス会社の「供給エリア検索」を使う
地域ごとに都市ガス会社が違うので、自分のエリアの会社を探す
主要都市ガス会社の供給エリア検索リンク
| 地域 | ガス会社 | 検索ページ |
|---|---|---|
| 関東 | 東京ガス | サービスエリア検索 |
| 関西 | 大阪ガス | サービスエリア検索 |
| 中部 | 東邦ガス | 供給エリア |
| 北海道 | 北海道ガス | 供給エリア |
| 九州北部 | 西部ガス | 供給エリア |
| 中国 | 広島ガス/岡山ガス/山口合同ガス | 各社HP |
ステップ3:「供給可能」と表示されればOK
住所を入力して、“供給可能エリアです”と出たら、都市ガスへの切り替えが可能。逆に“供給対象外”なら、その住所は今のところプロパン継続
都市ガスエリアじゃなかった場合の打ち手
都市ガスエリア外でも、プロパン会社の見直しで料金は半額になる場合がある。enepi・プロパンガス料金消費者協会などの無料診断・相見積もりサービスを使う
実際、プロパン適正価格に変えるだけで、年8〜12万円浮かせるケースが多い。”都市ガスエリア外=諦める”じゃなくて、”プロパン会社を変える”という選択肢がある

切り替えのパターン整理 ── どれが自分に当てはまる?
自宅の状況に応じて、3つのパターンから選ぶ
パターンA:自宅が都市ガスエリア → 都市ガスに切り替え
- 節約効果:月5,000円・年6万円(プロパン→都市ガス)
- 工事費は3〜10万円(一度きり)→ 半年〜1年で回収
- 切り替え工事はガス会社が手配、所要時間は数時間
- ガスコンロ・給湯器のノズル交換 or 買い替えが必要(カロリーが違うため)
パターンB:都市ガスエリア外 → プロパン会社を変える
- 節約効果:月3,000〜8,000円・年4〜10万円(高めプロパン→適正価格プロパン・家庭差大)
- 工事不要・解約金リスクあり
- enepi・プロパンガス料金消費者協会で無料の見積もり比較を使う
- 注意:設備買取金10〜30万円を請求される場合がある(次のNG項目参照)
パターンC:これから引っ越す人 → 都市ガスエリアを選ぶ
- 物件選びの段階で”都市ガス物件”を条件に入れる
- SUUMOやLIFULL HOME’Sの絞り込みで「都市ガス」にチェック
- 入居後の切り替えコストはゼロ、最初から都市ガス料金(パターンA相当)

シンパパ家のリアル:うちはプロパンエリア
うちは結局どうなの?
うちは残念ながら都市ガスエリア外。だから取れる手はパターンB(プロパン会社を変える)
うちの地域のプロパン適正価格
- 5m³使用で月8,000円前後が適正レンジ
- うちは現状もう少し安いプロパン会社と契約しているので、まだマシ
- でも、周辺の家庭で月15,000〜18,000円払ってるパターンが多い
enepi(エネピ)の使い方
無料のプロパン料金診断サービス。住所と現状の請求額を入れると、地域の適正価格と、安い会社の見積もりが出る
切り替え交渉も無料で代行してくれる。電話のかけ方も教えてくれるので、自分で交渉する自信がない人もOK
ただ、プロパン会社を変えるときは”設備買取金”の罠がある。これは次の章で詳しく書く
試算:月10m³使用の家庭(同じ地域内)
| シナリオ | 月料金 | 年間 | 10年累計 | 該当パターン |
|---|---|---|---|---|
| 高めプロパン会社(変えない) | 18,000円 | 21.6万円 | 216万円 | — |
| 適正プロパン会社(変える) | 10,000円 | 12.0万円 | 120万円 | パターンB |
| 都市ガス(理論値・エリア内なら) | 6,000円 | 7.2万円 | 72万円 | パターンA |
パターンBで月8,000円浮くケース(高めだった家庭)の試算。年9.6万円・10年で約100万円。これを”高いから仕方ない”で諦めてる人がほとんど
パターンBの効果は家庭差が大きい。元々の契約会社次第で、月3,000円〜8,000円とブレ幅がある
100万円浮いたら、家族で温泉行きたいわね〜。あ、お風呂もガスね、フフ

切り替え3ステップ ── 検針票1枚あれば終わる
具体的な手順。第10話の電気と同じく、検針票を1枚用意するだけで進められる
パターンA:都市ガスに切り替える場合
ステップ1:検針票で現状を確認
- 月の使用量(m³)/請求額/契約プロパン会社
ステップ2:都市ガス会社のサイトで申し込み
- 上記「供給エリア検索」で対象を確認
- 申込フォームに住所・氏名・現状情報を入力
ステップ3:工事日を予約
- ガス会社が現場確認 → 工事日決定(通常2〜4週間後)
- 工事日にコンロ・給湯器のノズル交換(業者が対応)
- 工事費は3〜10万円(一度きり)
工事日に1〜2時間立ち会えばOK。プロパン会社への解約連絡は、都市ガス会社が代行してくれることが多い
パターンB:プロパン会社を変える場合
ステップ1:enepi または プロパンガス料金消費者協会で無料診断
- 住所・現状の請求額・使用量を入力
ステップ2:見積もりを比較
- 通常3〜5社の見積もりが届く
- 単価・基本料金・契約期間・解約金を比較
ステップ3:新ガス会社に申し込み → 設備買取金の確認
- ここが要注意:現在の会社から設備買取金を請求される場合がある
- 新会社が「買取金を肩代わり」してくれるキャンペーンも多い

注意点 ── 知らないと損する5つのNG
ガスもNGがあるんでしょ?
ある。5つ書く
NG1:プロパン解約時の「設備買取金」を知らずに契約解除
プロパン会社は、入居時にボンベ・調整器・配管を無料で設置してる。これを”解約時の設備買取金”で回収する仕組み
金額は10〜30万円。知らずに解約すると、いきなり請求書が届く。新ガス会社が買取金を肩代わりするキャンペーンを使うか、最初から買取金ゼロの契約条件を確認する
NG2:賃貸オーナー指定プロパン → 入居者が変えられない
アパート・マンションの場合、プロパン会社をオーナーが指定してる場合が多い。入居者が勝手に変えられない
オーナーが指定する=高めの料金設定になりがち。入居前の契約条件で確認する必要がある
NG3:「都市ガス対応」と書いてあっても、ノズル交換が必要
コンロや給湯器に”都市ガス用“と”プロパン用“の区別がある。プロパン用器具を都市ガスエリアでそのまま使うと、火が弱すぎたり、最悪は不完全燃焼
切り替え工事の日にノズル交換が必須。古い器具なら買い替えのほうが安全
NG4:都市ガスエリアの境界を勘違い
“うちの地区は都市ガスエリア”と思っていても、実際は番地レベルで境界になってる場合がある
必ず住所+郵便番号で公式エリア検索する。”近所が都市ガス使ってるから自分も使えるはず”は危険
NG5:見積もり比較サービスを通さず、自分で電話して交渉
直接プロパン会社に”安くしてくれ”と交渉しても、個人客には強気の対応をされがち
enepi・プロパンガス料金消費者協会のような第三者経由で交渉すると、業界の事情を知ったうえで動いてくれる

ケンの視点 ── 自宅で法人やってる場合は?
ガス代も、僕の法人で経費にできる?
できる。自宅兼オフィスなら、家全体のガス代を業務使用割合で按分して経費にするのが基本
自宅で法人をやってる場合のガス代の考え方
- 業務使用割合で按分して経費計上(一般的に20〜30%)
- ガス自体は家族の食事・お風呂で使うものが多いので、電気よりも按分比率は低めになりやすい
- 切り替えで家全体のガス代が下がれば、按分後の経費額は減るが、家計のキャッシュは増える
電気の話と同じ構造だね。家計と法人を一体で見れば、ガス代も最適化対象
そう。家計と法人の経費は連動して動く。一つひとつ別軸で考えると、見落としが出る
オープンループ回収:Phase 2の累積効果
これで何本目のブースト?
通信費(第9話)で年24万円、電気代(第10話)で年6万円、ガス代(第11話)で年6万円(パターンA基準)。Phase 2を3発撃った時点で、年36万円浮いてる
パターンBの家庭でも年4〜10万円。10年続けたら300〜400万円。家のリフォーム1回分
ブースト編すごいね。固定費を1個ずつ叩いてくだけで、こんなに変わるなんて
だから第5話で言った”生活費は消費じゃなくて原価”の話。毎月の固定費は、毎月積み上がる原価。1回見直せば10年効く
(鍋を火にかけながら)ふーん、すごいわね〜。あ、明日のおかず何にしよっかなぁ。シンちゃんが好きな肉じゃがでも作ろうかしら
まとめ ── ガス代は「使う量を減らす」より「契約先を変える」
ここまでのポイント:
- プロパンと都市ガスは原料・供給方法・カロリー・料金体系がすべて違う
- 節約は2つのパターンで考える
- パターンA(都市ガス切替):月5,000円・年6万円
- パターンB(プロパン会社変更):月3,000〜8,000円・年4〜10万円(家庭差大)
- プロパンは規制ゼロの自由料金。同じ地域でも会社で月の請求額が1.5〜2倍違う
- 災害時はプロパンが強いが、カセットコンロのストックで都市ガスのバックアップは取れる
- 都市ガスエリアの確認は3分:住所→地元ガス会社の「供給エリア検索」
- プロパンエリア外でも諦めない:enepi・プロパンガス料金消費者協会で適正価格に
- 5つのNG:設備買取金・賃貸オーナー指定・ノズル交換・エリア境界・直接交渉
ガス代は使う量を減らす省エネよりも、契約先を変えるほうがはるかに楽で、はるかに効く。Phase 2の3発目として、ここを叩く。
自宅が都市ガスエリアならパターンAで月5,000円、エリア外でもパターンBで月3,000〜8,000円。災害バックアップはカセットコンロで補える。これだけの差が出るなら、やらない理由がない。
【PR】ガス料金診断・比較サービス
プロパンガスの方
▶ プロパンガス料金消費者協会 ── 適正価格診断・交渉代行
ついでにモッピーも登録(+2,000円分の入会ボーナス)
紹介コード:Wy49e194 / 登録無料・30秒・いつでも退会可